ペロブスカイト太陽電池の歴史
2009年発明から現在までの発展の歩み

日本発・世界を驚かせた技術革新

ペロブスカイト太陽電池は日本人研究者の手によって生まれた技術です。2009年、桐蔭横浜大学(当時)の宮坂力教授が初めてペロブスカイト材料を太陽電池に応用し、学術誌に発表しました。当初は変換効率3.8%と低かったものの、その後わずか15年で26%超を達成するという、太陽電池史上最速の進化を遂げています。

変換効率の進化(グラフ)

単体ペロブスカイトセルの認定最高変換効率の推移

2009年
3.8%
2012年
10.9%
2013年
16.2%
2015年
20.1%
2018年
23.7%
2021年
25.5%
2025年
26.7%

年表:ペロブスカイト太陽電池の歩み

2009年

宮坂力教授が初報告(変換効率3.8%)

桐蔭横浜大学の宮坂力教授(当時・豊田工業大学)がメチルアンモニウム鉛ヨウ化物(MAPbI₃)を増感剤として使用した太陽電池をJournal of the American Chemical Societyに発表。変換効率は3.8%と低かったが、ペロブスカイト材料の光電変換への応用を初めて示した歴史的論文。

2012年

固体型への転換で効率10.9%へ(Nam-Gyu Park&Henry Snaith)

韓国の朴南圭(Park Nam-Gyu)教授とオックスフォード大学のHenry Snaith教授がそれぞれ独立に、液体電解質を固体正孔輸送層に置き換えた全固体型ペロブスカイト太陽電池を報告。効率が10.9%に達し、研究コミュニティの爆発的な注目を集める。この年を「ペロブスカイト太陽電池元年」と呼ぶ研究者も多い。

2013年

効率16%超え・Scienceに2本の論文

Science誌に相次いで高効率ペロブスカイト太陽電池の論文が掲載され、世界的な研究ブームが到来。二段階堆積法や気相法など新しい製造手法が次々と提案される。

2015年

効率20%の壁を突破・タンデム型研究本格化

複数のグループが独立に20%超を達成。シリコンとのタンデム積層セルの研究も本格化し始める。また日本でも産学連携の研究プロジェクトが立ち上がる。

2017年

積水化学が実用化研究を加速・フレキシブル型も進化

国内では積水化学工業がペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた研究開発を本格化。フィルム基板を用いたフレキシブル型ペロブスカイト太陽電池の効率も大幅に向上。

2020年

タンデム型が29.15%で単結晶シリコンを超える

HZB(ドイツ・ベルリン自由エネルギー研究所)がペロブスカイト/シリコンタンデムセルで29.15%を達成し、単接合シリコン太陽電池の理論限界(29.4%)に迫る数値を記録。タンデム型の実用化研究が世界規模で加速。

2022年

タンデム型が31.25%・日本の実証実験が活発化

LONGi(中国)がタンデム型で31.25%を達成。日本では経産省主導のグリーンイノベーション基金プロジェクトが始動し、積水化学・パナソニック・東芝などが実証実験を加速。

2023年

複数社が量産ライン構築を発表

国内外の複数メーカーが量産に向けた試験ラインの稼働を発表。耐久性についても屋外実証で10年相当の安定性を示す報告が増加。

2024〜2025年

単体26.7%・タンデム33.9%を達成、商業化が射程圏内に

単体ペロブスカイトセルの認定効率が26.7%に到達。タンデム型は33.9%という驚異的な数値を記録。積水化学が量産ライン稼働を発表し、2030年の本格普及に向けた動きが本格化。

日本の貢献と今後の展望

ペロブスカイト太陽電池は日本の宮坂力教授の発明から始まり、その後の主要な研究成果にも日本の研究者が多数関与してきました。産業界でも積水化学・パナソニック・東芝・カネカなどが世界をリードする開発を進めており、「日本発の技術で世界の再生可能エネルギー市場をリードする」という期待が高まっています。

政府も2021年以降、グリーンイノベーション基金(2兆円規模)の一環としてペロブスカイト太陽電池を重点支援技術に指定。2030年の本格普及・コスト7円/kWhを目標に、産学官が一体となった開発が進められています。

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効率の数字が何を意味するのか、最新記録はどのくらいかを確認しましょう

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