積水化学工業のペロブスカイト太陽電池
フィルム型量産化で日本をリード

積水化学のポジション

国内で最も商業化が進んでいるペロブスカイト太陽電池メーカー。2025年に量産ライン稼働を発表し、フィルム型(フレキシブル型)での世界トップランナーとして注目されています。

会社概要とペロブスカイト事業の位置づけ

積水化学工業株式会社(本社:大阪府)は、住宅・環境ライフライン・高機能プラスチックスの3事業を柱とする素材・住宅メーカーです。ペロブスカイト太陽電池事業は「環境・エネルギー分野の次世代事業」として位置づけられており、フィルム加工・高分子材料の技術を活かしたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開発に注力しています。

製品の特徴:フィルム型(フレキシブル型)

⚖️

軽量

シリコン型の約1/10以下の重量。既存建物への後付けが可能

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フレキシブル

曲げられる・折れない。折板屋根・曲面への設置が可能

🏗️

設置容易

接着・テープ貼りで設置可能。工事コストを大幅削減

🏭

量産対応

ロール・トゥ・ロール製造で大量生産。コスト競争力

ロール・トゥ・ロール製造技術

積水化学の最大の強みは、フィルム素材の加工で蓄積したロール・トゥ・ロール(R2R)製造技術をペロブスカイト太陽電池に応用したことです。

  • 幅:30cm→将来的に60cm以上へ拡幅予定
  • 製法:スロットダイコーターによる連続塗布
  • プロセス温度:150℃以下(PENフィルム基板に対応)
  • 封止:独自の高バリアフィルム封止技術

ターゲット市場:工場・倉庫の大屋根

積水化学が最も重視しているターゲット市場は工場・倉庫の大屋根です。

日本には耐荷重が低く通常のシリコン太陽電池(約10〜15 kg/m²)を設置できない折板屋根の工場・倉庫が多数存在します。積水化学のフィルム型ペロブスカイト太陽電池は約1〜2 kg/m²と極めて軽量なため、これらの「未開拓の大屋根」に設置できます。国内だけでも数十GWの潜在市場があるとされており、大きなビジネスチャンスです。

開発の歩みと直近の動向

2012年〜:ペロブスカイト太陽電池の研究開始
2018年〜:フィルム型・R2R製造の開発本格化。グリーンイノベーション基金採択
2022年〜:屋外実証実験(工場屋根)開始。3年以上の安定動作を確認
2024年〜:量産試験ライン稼働。幅30cmのR2Rラインで連続生産を実証
2025年5月:量産ライン稼働・サンプル出荷開始を正式発表
2027〜2028年(目標):本格量産・商業販売開始。発電コスト10円/kWh以下を目指す

課題と対応

  • 耐久性:屋外3年超の実証データで初期効率の90%以上を維持。2030年時点で25年寿命の実証が目標
  • 効率:量産品目標15〜17%(小型セルでは20%超達成済み)
  • コスト:量産スケールアップで段階的に低コスト化。競合のシリコン型と対等なコスト達成を目指す

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